「このマンガがすごい!2019」オトコ編1位にランクインした
大人気作品「天国大魔境」。
選考時点では1巻しか出ていないタイミングでの1位でしたが、
巧妙に仕掛けられた謎の魅力が認められてのランクインでした。
「天国大魔境」には初期から様々な伏線が仕掛けられていますが、
最たるもののひとつが『ヒルコ・人食い』の正体!
第1話から登場するヒルコは、色々な種類が登場してます。
ここでは原作11巻までに登場した『ヒルコ・人食い』を一覧にし、正体を考察しました。
ネタバレを多く含みます。まだ天国大魔境を読み進めていない方は注意!
天国大魔境【考察】ヒルコ・人食いの正体とは
原作11巻までの情報によると、
高原学園の生徒の一部がヒルコ・人食いになっているようです。
これまでに登場したヒルコを見直してみると
泳ぎが得意なククと同じように、「壁に貼り付ける魚」や、
「幻覚を見せる」オーマと同じ能力を持つヒルコ、
踊りの得意なアンズのように「踊っているように動く」ヒルコなどが確認できています。
これらから作中に登場する「ヒルコ・人食いたち」のほとんどが、
高原学園から各地に散った、生徒たちの姿では…?と考察できます。
6巻35話ではミーナが生徒たちに
「外の外に到達することが”ヒルコ”である皆さんの役割です」
と、はっきりと明言しており、
「高原学園の生徒=ヒルコ」ということで間違いないと思われます。
高原学園の生徒は死亡すると全員ヒルコになる?
4巻では、死亡したらヒルコになる病気を「星尾」が発病していました。
マルタッチにより核を破壊したため「星尾」はヒルコになりませんでしたが、
生徒が不治の病に侵されて死亡するとヒルコになる、と示されています。
3巻では、不治の病に侵されて死亡したタラオの遺体が焼かれ、
「ヒルコの核」のようなものが残されていました。
タラオも焼かれなければ、ヒルコになっていたのかも?
ただ、宇佐美のように「発病せずに死亡」している生徒もいるので
全員がヒルコになる(発病する)とは限らない可能性も残っています。
高原学園の生徒はなぜ死亡するとヒルコになるのか?
なぜ高原学園の生徒たちは不治の病を発病すると
死亡後ヒルコになるのでしょうか?
学園長の計画では、大災害後に天国を造るために、
あらゆる免疫を備えた身体と特殊能力を持った
完璧な人間(生徒たち)をつくりあげたはず…。
もしかすると、遺伝子操作による何らかの弊害として不治の病となり、
死亡後にヒルコとなってしまうのかもしれませんね。
しかし、先程も述べましたが、6巻35話でミーナは
「外の外に到達することが”ヒルコ”である皆さんの役割です」
と、「ヒルコの役割」を語っていました。
これは生徒たちが死亡後にヒルコになることを知った上での
発言のように受け取れます。
学園長の計画としては予想外に「人食いの怪物・ヒルコ」を生み出してしまい…
「先生=ミーナ」にとっては計画通り…?
ただ先程の考察通り、
全ての生徒たち全員が死亡後にヒルコになるとは限らず、
8巻44話では400年以上前の「鬼のミイラ」のヒルコが登場し
高原学園の生徒以外のヒルコが存在することも確定しているため
ヒルコについては、
まだまだ謎が残っているようです。
-
- 「怪物」「人食い」などさまざまな呼ばれ方をしている
- 大きさ、姿形、能力、強さはそれぞれで、分裂するものもいる
- 人間を食べる。粉々に分解して吸収するような感覚だという
- 大災害後に出没するようになり、個体数はそれほど多くはない
- 高原学園の子供が、黒いあざの出る不治の病で死ぬと”ヒルコ”になる
- 瀕死に陥ると、身体を硬化させ、仮死状態になって生き延びる
- 特殊能力の持ち主に”核”を握りつぶされない限り、基本的に不死身
- 「ヒルコ」の一部を移植すると、強くて死なない人間になれるという噂がある
- 死ぬと腐ってしまい、死体は残らない
- 400年以上前から存在する「鬼のミイラ」も”ヒルコの核”を持っていた
※「天国大魔境」公式コミックガイドより引用
「天国大魔境」公式コミックガイドは、
かなり詳しく解説されているので、オススメ!!
天国大魔境に登場するキャラクターについては
こちらでまとめています~↓
天国大魔境【考察】「ヒルコ・人食い」まとめ一覧
ここでは、11巻までに登場したヒルコの特徴と、ヒルコになった人物をまとめていきます。
それぞれ人間の時に持っていた能力や特徴をヒルコに引き継いでいるようです。
名前・容姿(登場巻) | 正体 | 特徴 |
---|---|---|
翼を持つヒルコ(1巻) | サクヤ | 鳥のように飛ぶ たくさんの触手を持ち ムチのような斬撃で攻撃する |
甲羅を持つヒルコ(2巻) | コナ? | 体を透明にし、姿を消す |
魚型のヒルコ(2巻) | クク | 船と同等の速度で泳ぎヤモリのように壁に貼り付ける |
幻術のヒルコ(3巻) | オーマ | 突き出した目から光を放ち 過去の恐怖体験を幻覚で見せる |
クモ型のヒルコ(5巻) | ナナキ | 人を凍らせるほどの冷気を発生させる |
大ろ過装置のバケモノ(6巻) | ? | 詳細不明 |
クラゲ・タコのようなヒルコ(7巻) | マコ | 攻撃を跳ね返す |
鬼のミイラ(8巻) | ? | 「ヒルコの核」を持ち 400年以上前から生き続けている |
アンジュラス(8巻) | アンズ | 8本の触手で踊るように動く 「規格外」な強さを誇る |
電撃ネットヒルコ(10巻) | ? | 網状で襲いかかってくる 電気攻撃も |
サソリのようなヒルコ(11巻) | ? | 長い尻尾と手を持つ |
翼を持つヒルコ
1巻で初めて登場した鳥の姿をしたヒルコ。
正体は、サクヤ。
11巻で翼を持つ同じ形の鳥を出し
能力を使っていることがわかっています。
お腹の部分から二本の腕が生えており、
腕の先にムチのような触手?が3本づつ伸びています。
ムチのような触手により、
高速の攻撃をしていました。
頭が変形し触手となり、人を捕食します。
マルのマルタッチ能力により死亡しています。
甲羅を持つヒルコ
2巻で浅草レース場に登場した、
甲羅を持つヒルコの正体はコナ?
6巻34話でベッドで寝るコナに、
ミミヒメはヒルコの幻覚を見ました。
ミミヒメが見たヒルコの容姿は、
レース場に登場した甲羅を持つヒルコと同じでした。
未来予知ができるミミヒメが、
死亡後にヒルコとなるコナの姿を見たのかもしれません。
ここから、甲羅を持つヒルコの正体はコナだと予想できます。
しかし2巻に登場し捕食されそうになった竹早春希から
甲羅を持つヒルコと同じ容姿の別個体が目撃されている、と語られています。
もっと大きく速い動きをする
甲羅を持つヒルコが存在するようです。
別個体が存在するとなると、
竹早春希を捕食しようとしたヒルコは、コナではない可能性も…。
元々コナの持つ能力は未来予知のため、このヒルコの特徴とは少し違っているところも疑問点です。
ただ同じ個体でなかったとしても、
何らかの関わりがあるのでは、と考えられます。
オオゾクムシに似た容姿で
甲羅と何本もの脚を持っています。
透明になる能力を持っており、
2体とも消息不明となっています。
魚型のヒルコ
2巻に登場した魚のヒルコの正体は、
クク。
ククは掌や足の裏で壁に張り付き移動する能力を持っており、
泳ぎや潜水が得意だと7巻で明らかになっています。
魚型のヒルコも船の壁に張り付き移動しており、
同じ能力を持っていました。
8巻では、ククが死亡した後、遺体が海に葬られていることからも
魚のヒルコの正体はククで間違いないでしょう。
無数の足で駆けるスピードが速いところも、
ククっぽいです。
魚型のヒルコは、
船と同等のスピードで泳いでいました。
全身に水の膜をまとっており
水中だけでなく、滑るように地上での移動も可能です。
口に水を含み高圧で発射する、
強力な水鉄砲攻撃を持っていました。
マルのマルタッチ能力により死亡しています。
幻術のヒルコ
3巻の不滅教団地下駐車場に登場したヒルコの正体は、
オーマ。
オーマは自分を見つめる相手に
恐怖を与える幻覚を見せる幻術能力を持っています。
地下駐車場にいたヒルコもキルコに、
恐ろしい幻覚を見せていました。
オーマはミミヒメが好きだったので、
居所を探し、最後は「ミミヒメ=星尾」の近くにいたのかもしれません。
これらから地下駐車場のヒルコの正体が、
オーマであると考えられます。
地下駐車場でマルとキルコが発見した時には
幻術のヒルコは仮死状態でしたが、
分裂したのか
周辺に小さな個体が数体確認されました。
仮死状態の「親玉」と数体の小さな個体のほとんどは、
マルにより駆除されています。
しかし一体の小さな個体が、車の下で生き残っていました…。
クモ型のヒルコ
5巻に登場したクモのヒルコの正体は、
ナナキ。
5巻29話の扉絵は、
満月をバックにしたクモのヒルコが描かれていました。
屋根の上で佇む巨大クモの下の窓枠が
「ナナキ」という名前に読めます。
8巻と同日発売された公式コミックガイドからは、
「窓枠に何かが読み取れる」と指摘されていました。
ここからクモ型のヒルコ正体は、
ナナキで間違いないでしょう。
人を凍結させるほどの冷気を発する能力を持っており、
作中でもキルコを凍死寸前にまで追い込んでいました。
キルコによりキル光線で腹部を撃ち抜かれましたが
腹部には「核」がなく、逃走しています。
大ろ過装置のバケモノ
6巻にてロビンが人間とチューブで繋いだ、
何かしらの実験しているヒルコが登場しました。
おそらく不死の実験だと思われますが、
詳細は不明となっています。
登場したヒルコは黒い昆虫のような姿をしていましたが、
正体不明のままです。
繋がれていた女性は
3ヶ月前に大ろ過装置がある復興省の町に住民登録したという以外、
一切不明となっています。
クラゲ・タコのようなヒルコ
7巻に登場しヘルムと戦っていたの正体は、
マコ。
上部はクラゲのようで
下半身はタコのような、ブヨブヨとした容姿をしています。
マルが投げた石を空中で砕き、
キル光線も跳ね返していました。
空間を歪ませ、方向を変化させる能力があると思われます。
7巻の扉絵で、大きく描かれており
頭部分にあるマークが
マコが力を使う時に掌に出現するマークと
同一(11巻)のことからマコと確定しました。
鬼のミイラ
8巻までに登場した
高原学園の生徒以外だと確定している「唯一のヒルコ」です。
400年以上前からご神体として
閉鎖的な山村に祀られている「鬼」と紹介されていました。
マルによって「ヒルコの核」が存在することが確認されており、
弱々しくも生きていました。
マルが核を破壊することを提案しましたが
先祖代々祀っている一族により止められ、生き残ったままとなっています。
高原学園の生徒以外でもヒルコになる人間がいる、と
確定させたヒルコとなっています。
鬼のミイラについては、こちらの記事で詳しくまとめています~↓
アンジュラス
8巻に登場したヒルコ「アンジュラス」の正体は、
アンズ。
8本の脚を動かした攻撃は、
「ウネウネと光の手足で踊ってるみてーだ」「きれいだ」とマルは評していました。
いっぽう3巻で、アンズは見事なダンスを見せていました。
ヒルコになっても、持ち前のダンスできれいに踊っているのでしょう。
ヒルコの名前が「アンジュラス」となっており、「アンズ」とも近いです。
8巻に登場した「ヒルコ・アンジュラス」の正体は、
アンズで間違いないでしょう。
もともとはゆっくりと地を這って移動するヒルコでしたが、
マル達の前では8本の光る触手を踊るように動かし、移動しています。
かなり大きいサイズで素早く動き、高い攻撃力を持っていることから
キルコ達からは「規格外」「怪獣」と評価されています。
なかなか討伐できず苦労したヒルコですが、
迫田が爆弾で命を賭けて触手を一時的に破壊。
1本残った触手にマルが捉えられピンチになりましたが、
ミチカが触手を切り落とすことに成功し
最後は、マルタッチにより核を潰しました。
電撃ネットヒルコ
10巻に登場した、
天井に網状で張り付き、キルコとマルを襲ったヒルコ。
正体は不明なヒルコです。
大阪の「KANSAI百貨店」の、
1階天井に張り付いていました。
当初仮死状態だったためか、マルに察知されず、
二人が真下に移動してきたタイミングで動き出し、襲いかかります。
マルがキルコを抱え猛ダッシュで移動したため回避できましたが、
対象者に覆いかぶさり、電撃で攻撃する能力を持っているよう。
網のような形状をしており、
キル光線で撃ってもノーダメージのようでした。
サソリのようなヒルコ
11巻67話に登場したヒルコ。
複数の手足を持ち、甲殻類にも似ています。
サソリのように長い尻尾を持っています。
ガシャガシャと音を立ててビルを登っていました。
正体は不明。
天国大魔境【考察】「ヒルコ人間」とは
「ヒルコ人間」とは、
「ヒルコの核」を持った人間のこと。
ヒルコ人間は、ヒルコと同じ特殊能力を持っているようです。
原作11巻時点で確認できている高原学園生徒以外の「ヒルコ人間」は
- トトリ(3巻登場)
- 十五(5巻登場)
の2人です。
トトリは、マルが「ヒルコの核」を確認し確定しています。
「十五」の核は確認されていませんが、
「あの子がヒルコだ」とマルから言われています。
「十五」は「クモの型のヒルコ」と同じ、
冷気を発する能力を持っていました。
ヒルコ人間は、ヒルコと同じ特殊能力を持っていることがあります。
ここから十五もヒルコ人間であると確定できます。
トキオとコナから生まれたヤマトかマル(どちらかがクローン)もヒルコ人間の可能性があるよね…
ヒルコ人間(トトリと十五)は誰から生まれた?
トトリと十五は、高原学園生徒の血を引いています。
トトリの父親は、タカであることが9巻50話で確定しています。
母親は、アンズ。
高原学園の生徒である二人の子なので
トトリにはヒルコの核があり、ヒルコ人間になったのでしょう。
十五と同じ冷気を発するヒルコの正体は、
高原学園でイワと女性カップルだった、ナナキでした。
十五の父親である十一が
女性カップルに精子を提供して生まれたのが十五ですので、
まず間違いなく、十五の母親はナナキだと思います。
十五の父親である十一は普通の人間でしたが、
母親がナナキだったので、ヒルコの核を受け継いだと考えられます。
高原学園生徒の血統者が、ヒルコの核を受け継ぎ、
「ヒルコ人間」になるのでは、と考えられます。
ただ400年前にヒルコの核を持つ「鬼」が確認されているため、
今後例外が登場する可能性もあります。
「ヒルコの核」を持った人間で、高原学園生徒とその血統者であると考えられる。
天国大魔境「ヒルコ・人食い」の今後の謎解明に期待!
人間を攻撃し捕食するヒルコの正体は、
高原学園生徒一部の死亡後の姿!
という衝撃の事実が判明しました。
しかし、それだけでは悲しすぎますよね。
「魚のバケモノ」として殺されたククや
「鳥のバケモノ」となり旅館の女将を切り刻み捕食していたサクヤが、あまりに可哀想です。
最後までに、
「ヒルコたち」に救いが登場するような気がして、しかたありません。
まだまだ謎が多いヒルコたちの
「最後の救い」を確認するために、
「天国大魔境」をラストまで、追いかけなきゃですね!
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天国編と魔境編を時系列で知りたい!
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