幅広い世代の読者に愛されている
山下和美先生による漫画『ランド』!
マンガ大賞を受賞するほど
評価も高い漫画なのですが…
「あの世」と「この世」の関係は?
50歳で迎える「知命」の後はどうなるの?
と思っている方もいらっしゃるはず。
そこでこの記事では
漫画『ランド』における、
2つの世界の秘密や知命の謎を
徹底的に考察・解説していきます!◎
※この記事では『ランド』のネタバレを多く含んでいるので、注意!
漫画『ランド』を一気読みする?!↓
漫画『ランド』あの世とこの世の謎
漫画『ランド』には、
江戸〜大正時代頃の日本のような
暮らしや文化が残る「この世」と
自動翻訳やデータ社会といった
科学技術が発展した「あの世」の
2つの世界が登場します。
ここでは「あの世」と「この世」の違いや謎についての解説をまとめていくよ~!
主人公・杏が暮らす「この世」
この作品は「この世」の出来事から
物語がスタートしていきます。
「この世」は機械や文明の利器に頼らずに
すべて手作業で農業を行なっている世界。
文字という文化がなく、
厳格な階級社会になっています。
「この世」は先代名主のあやめと
現名主・蓮華によって統治されていました。
平安時代みたいな格好をした蓮華たちが、占いや儀式で政治をしているよ~
中でも主人公・杏が暮らす農村では
東西南北にいる巨大な神が住民たちを
監視していると恐れられていました。
東西南北の巨大な神「四ツ神様」
- 東の神様:洪水を起こす
- 西の神様:人を喰う
- 南の神様:日照りを起こす
- 北の神様:吹雪を起こす
数あるしきたりや掟の中でも大事なのが
- 「四ツ神様」の時間である夜は出歩かない
- 「あの世」に繋がる山の向こうには行かない
禁忌を犯してしまえば
「あの世」に行けるとされる、
「知命」を迎えられません。
50歳で迎えるとされている知命については、次の項目で解説していくからチェックしてみてね♪
そのため、住民たちは
真面目に誠実な暮らしを送るのです。
また、災いや凶相があれば
生け贄を捧げることになっています。
実際に作中では双子の姉・アンが
生け贄として捧げられていました。
双子の姉・アンが生活する「あの世」
一方で「知命」を迎えて行けるのが
「あの世」とされている場所です。
凶相の子として山に捨てられた
杏の双子の姉・アンが、
生きる意味を見つけるために
暮らしていくと決めた世界でもあります。
「あの世」はこの世の住民からは
死後の世界と思われていましたが……
実際は、高層ビルや翻訳機能などの
科学技術が高度に発達した近代都市で
あの世とは隣同士で存在している世界!
トンネル一本で行き来できるほど
2つの世界は近い場所にあります。
しかし、天音か和音が一緒にいないと
この世からのトンネルには入れないように
しっかりと対策されているようです。
また、ここで暮らす人々は
不老不死の処置を受けているせいか
年齢よりも若々しい印象なのが特徴!
ほとんどの人間には
この世の存在は知られておらず、
ずっと昔の生活をしている人たちがいる
という噂話程度になっています。
この世とあの世の関係性
「『この世』は今までいたところと近いようで違う 地図上にはない 人工衛星にも映らない 検索もできない 誰も知らない特区だ」
※「ランド」天音のセリフより引用
この世とあの世の位置関係は
このような感じになっています↓
この世は東西南北に配置された
四ツ神様に囲まれた閉鎖的な場所で
山々の向こうにあの世が広がっています。
- 「この世」:昔の日本のような暮らし
- 「あの世」:科学技術・医療が発展した近未来
- 「この世」と「あの世」は同じ時代・世界に存在する
謎だらけのあの世とこの世ですが……
実は「ランド株式会社」が運営していました!
ランド株式会社や天音と和音の秘密について
知りたい方はこちらから!↓
この世での宿命!「知命」について解説
『ランド』において
重要なキーワードになっているのが
「知命(ちめい)」という宿命です。
この世では知命を迎えて
あの世に行くことが最高の幸せと
考えられているほどですが……
あの世にとっては
必要なシステムであると判明します。
50歳で迎える「知命」とは?
モーニング&Dモーニング34号、発売・配信!【ランド】山下和美、大反響の連載第5回!平治の葬列は北の神様のふもとに到着。葬儀が進められる中、杏が山の上空に見たのは――。 http://t.co/ghCpva0MR2 pic.twitter.com/aVDgmypaUK
— モーニング公式 (@morningmanga) July 23, 2014
この世では50歳を迎えると
必ず人は死んでしまうことを
「知命」と呼んでいます。
知命になると鳥に乗って
あの世に行くと信じられていて、
とても幸せで名誉なことでした。
医療技術も発達していないこの世では
50歳まで生きることは珍しく、
村の者が知命を迎えたときは
皆で盛大にお祝いをするほどです。
作中では杏の幼馴染・平太の父が
立派に知命を迎え、あの世に行きます。
知命を迎えた後の世界
知命を迎えたことを誇りに思い、
息子の平太が来ることを楽しみに
思っていた平治でしたが……
というのが知命後の実態でした。
「広大な土地を利用して資源サイクルを一括してやっているとか… そこで働いている人たちはずっと昔の生活をし続けている…とか まあ 噂話だけど…」
※「ランド」山之内純のセリフより引用
車や飛行機の廃棄物の山や、放射能標識があるシーンは衝撃的…!
知命を迎えた人々は、
現代社会で問題になっている
廃棄物や「核のゴミ」などを受け入れ、
リサイクル処理をしているのです。
外の世界を知らないこの世の人々は
作業の理由も分からないまま、
黙々と仕事をしています。
主人公・杏とアン以外にも魅力的なキャラがいっぱい!
漫画『ランド』の登場人物や相関図はこちらから!↓
日本の未来を考えるきっかけ!漫画『ランド』はどんな世代にもおすすめ!
東日本大震災より着想を得て
描かれたという漫画『ランド』!
この記事では「あの世」と「この世」や
謎の宿命「知命」の正体について
まとめて解説してきました~。
全部読み終えた後は
もう一度読み返したくなるような
余韻が残る良作品になっています。
作中では人間の「生」に対する欲が
リアルに描かれているのが見どころです!
想像の斜め上を進んでいくストーリーはテンポが良くて、絵柄も魅力的!◎
世代を選ばないテーマの漫画作品なので
どんな方にもおすすめですよ~!
漫画『ランド』を一気読みしてみる?!↓